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サンプル『自慢の息子』

サンプル
『自慢の息子』
@精華小劇場
2010年9月25日(土)~26日(日)

大阪初公演ということで、お勧めしてもらって観に行った。
東京の風、という感じかなと思った。
観たことあるようでないような、なんともいえない空気。
無造作に垂れてたりするつぎはぎの大きな白っぽい布をいろいろ使って、
それで空間を区切ったり、水を表現したり、布団になったり。
照明が、ほとんど裸電球とサイドライトだけなのは印象的だった。
ぱっとついたり消えたり、役者が糸を引いてつけたり消したりもする。

主人公の正(ただし)は、新しい国「正の国」を創った。
母親にとっては自慢の息子。
内実はマンションの一室に住んでいる引きこもり。
そこはまさに、彼の国、一国一城の主だ。
電気や水道はまだ日本に頼っているが。
国民にはさまざまなぬいぐるみたち。
正は子どもの頃から心やさしい子で、今もまたそうなのだ。

そこへ、同じように現実社会を受け入れられない兄妹が、
新しい別天地を求めてやって来て、一緒に暮らすようになる。

隣の部屋の住人で洗濯物を干す若いロック女もまた、自分の息子の幻想を追いかけている。

どこにでもいる母子が、何かとんでもないことを犯すかもしれない、そんななんでもないこと。
空気が緊張感を増す時に、
ガイド役が、いい具合にそれをを崩す。

美しいシーンを見せてくれるのかと思えばまたそれもすぐ裏切られる。

愛し合う兄妹が、指ひとつ触れずに愛し合う表現がとてもエロい。
妹は社会の一端として仕事をすることの不条理に耐えきれない。
兄は常に誰でもいい誰かを刺し殺したい衝動を押さえきれない。
その妹が、最愛の兄を失った時に、自分自身と社会に折り合いをつけて
生きていこうとする決意を見せるが、それも結局は叶わない。

厚化粧で白い顔の母親が、大量の布に身を包み、美しいウェディングドレス。
そのドレスの下で正がうごめいて、そこから抜け出すことができない。
キリストの再来かというほどのすごい男、正の実際の姿を視覚的に。
ここで終わりかと思ったらそうではなかった。

ラストシーンは、皆が絡繰り人形となる。
それも、ちょっとありそうな感じにも思えたが、
それを増して人形たちがアングラっぽい奇麗で醜い姿だったので、
魅入ってしまった。

おもしろかったり、はっとしたりするし、
役者さんたちの力をとても感じた。
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辻野加奈恵 出演情報

●マキコミシアター第5弾
『イキナリ防衛軍』

【日時】
2017年4月
14日(金)19:00〜
15日(土)13:00〜 / 16:00〜 / 19:00〜
16日(日)13:00〜 / 16:00〜 / 19:00〜
【料金】
前売(Web) 3,000円 / 当日 3,500円
(ドリンク付)
【会場】
自由表現空間 シアターカフェNyan
【チケット】
http://makikomi.net/
【詳細】
http://yachaika.blog69.fc2.com/blog-entry-820.html

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辻野加奈恵です。
大阪でお芝居をしています。
【→more】2012.10 更新