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May's rearview Vol.3 マダン劇『碧に咲く母の花』

2010.7.14~16
@Live Space Vi-code

アンケート渡さずに持って帰っちゃった。

でも役者さんたちと喋れたからいいや。

これまでのMayさんの作品と大きく違うのが
わかりやすいことだった。

物語のわかりやすさという意味ではなく、

済州島で何があったのかとか、
そういうことを、今までMayさんを観ながらも
何か深い大きなことがあったんだろう、
非常に無責任に、ある意味大人ぶって、
そんな風になんとなく感じながら

私の知らない在日の世界、
(在日朝鮮韓国人といえばいいのか在日韓国朝鮮人といえばいいのかわからないので)
同じ日本の大阪に生きていながら、
私とは違うアイデンティティを持ち、
国や思想を否応なしに深く考えさせられ生きている、
そんな人たちを、興味深く、知りたい、感じたいという思いがあった。


だけど、今回はじめて
済州島の「事件」を今までになく具体的に知らされた。

そしてもうひとつ、
木場夕子さん演じる主人公の立場が、
限りなく私たち、日本人に近い。

在日として生まれながら、
両親は何も知らずに育って欲しいと願った。
日本人の学校へ行き、日本語しか知らない。

朝鮮学校を出て、朝鮮語の話せる同じ年頃の、同じ在日の友だちの言っていることが
外国人の言っていることのようで、ぜんぜんわからない、と言う。
法事とか、民族の踊りとか、そういったものに疎外感を感じている。

なんだか少しわかったのは、それがMayさんを見ている私の立場だったということ。
だから、ゆうじさんが感じていること、発する言葉が、ばんばんとストレートにぶつかってくる。

私と同じような気持ちで、立場で育って、でも日本人じゃない、
ふるさとは遠くにあって、祖国も別にあって。
自分のお母さんの過去、ふるさとを想う気持ち、
本当のところはどうなのかわからなくて。聞けなくて。

斉藤友恵さん演じる母親は、独特のきついなまりのある日本語を話す。
済州島を出る時に何があったのかは、決して語ろうとしない。
つらい体験を思い出したくない、というだけではない。
誰にも侵されたくない自分だけの領域だというかのように。

済州島の海女が歌う歌がテーマのように出てくる。
これがすごくいい。
そして歌というものは、
年老いて病のためにたくさんのことを忘れ
自分が何ものかもわからなくなった人間の心にも残っているものであり、

人と人とを、過去と今とを繋ぐものなのではないかと思った。


Mayさんの、いわゆる小劇場でやってきた
かっこよかった男芝居『チャンソ』や壮大なドラマ『ボクサー』の方が
完成度は高いと思う。演出も現代的で、映画的印象的かっこいい要素があったりする。
(てきてきばっかり

今回はストレートで、素朴で、いいか悪いかはわからないけど、
ばしばし伝わって来て、

でも、なんだか泣いてはいけない気がして、
だって、目の前に、このお芝居の立場の人たちがいて、
それがふつうの生活で、それがあたりまえの人たちを前にして
外国人でしかない自分がそれこそ映画を見て共感するように
同情するように、そんなふうに
泣いてはいけない気がするのに、もうもうどうしようもなかった。

恥ずかしいくらいの顔の時に、明るくなって、
舞台からマッコリを振る舞ってもらって、とってもおいしかった。

受けるものが大き過ぎて、
いい意味で、長く感じた。70分とは思えなかった。

だいたい、ふつうは長く感じるお芝居って良くないのだけど、
いい意味で長く感じるなんて、初めてだった。

そしてMayさんのお芝居はいつも嫌みがない。
押し付けがないのは、いつも金さんの等身大の想いを描いているからか。

Mayの金哲義さんと劇団タルオルムの金民樹さんの
航路ーハンローさんの作品も、きっと、こういうストレートな作り方なのかなと、
あとで役者さんと話してて思った。
ハンロさん二回ともハングルの公演しか観れてないので、
なんとなく感じるだけで、理解はまったくできていないので。


済州島に呼ばれて、来月この作品を上演しに行くと言う。
けれどもメンバーのうちの朝鮮籍の人はビザが下りずまだ行けないという。

明日(というか今日)16日(金) 13:00 / 19:00千秋楽です。
http://may1993.hp.infoseek.co.jp/


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コメント

かなえさん、平日のお忙しい中、ご来場&感想、本当にありがとうございました。嬉しかったです!

Re: ゆうじさん、

ゆうじさん、コメントありがとうございます!
ほんとうに観に行ってよかったです。
これから韓国語バージョンに替えていくのすごい大変でしょうけれど、
がんばってくださいね!!

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辻野加奈恵 出演情報

●マキコミシアター第5弾
『イキナリ防衛軍』

【日時】
2017年4月
14日(金)19:00〜
15日(土)13:00〜 / 16:00〜 / 19:00〜
16日(日)13:00〜 / 16:00〜 / 19:00〜
【料金】
前売(Web) 3,000円 / 当日 3,500円
(ドリンク付)
【会場】
自由表現空間 シアターカフェNyan
【チケット】
http://makikomi.net/
【詳細】
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